「手に職をつけたい」「外で身体を動かす仕事が向いているかも」――そう思って防水屋の求人を調べてみたけれど、実際に飛び込むにはまだ不安が残る。未経験でも採用してもらえるのか、きつい仕事ではないか、将来性はあるのか。情報が少ないぶん、慎重になってしまうのも無理はありません。
防水工事の現場では、建物の寿命や安全性を支える大事な役割を担います。雨水の侵入を防ぐというとても地味な作業ですが、その一つひとつが建物の価値を守る重要な仕事です。けれど、その分だけ責任もあり、簡単にできる仕事ではありません。
この記事では、「防水屋の仕事に興味はあるけど、踏み出すには少し勇気が要る」という人に向けて、実際の仕事内容や働き方、どんな人に向いているのかなど、現場のリアルを中立的な視点で伝えていきます。良い面も厳しい面も含めて、自分の価値観に合うかどうかを判断する材料として、最後まで読んでみてください。
防水屋って何するの?現場の1日を追ってみた
防水屋の仕事は、建物の屋上やベランダ、外壁などに「水を通さない処理」を施すこと。地味に聞こえるかもしれませんが、建物の寿命に直結する非常に重要な作業です。現場によって工法や材料は異なりますが、作業の基本的な流れには共通点があります。
朝は現場に集合し、その日の作業内容を確認。前日に塗布した防水材がしっかり乾いているか、下地にひび割れや凹凸がないかなど、丁寧なチェックから始まります。その後は、ケレン(古い塗膜などの除去)や清掃といった下処理作業を行い、防水材を均一に塗っていきます。季節や天気に左右されやすく、真夏の屋上や冬の乾燥に気を配るなど、現場の環境を読みながら作業を進める力も求められます。
一見単調にも思える作業ですが、細かい手作業が多く、仕上がりの美しさがそのまま仕事の評価につながります。特にウレタン防水やシート防水は、手順を誤ると雨漏りの原因にもなりかねません。地味なようでいて、非常に繊細で責任のある仕事だということがわかります。
1日の終わりには道具の手入れや翌日の準備を済ませ、片付けて退勤。体力はもちろん必要ですが、仲間との連携や丁寧な仕事ぶりが大きな武器になります。肉体労働のイメージが先行しがちですが、実は「考えて動ける職人」が重宝される世界なのです。
向いてるのはこんな人。防水屋に必要な資質とは?
防水屋の仕事は、技術や知識だけでなく「人としての特性」が問われる職種です。専門的なスキルは現場で徐々に身につけていくものですが、スタート地点で大事になるのは、まず「人と協力できるかどうか」。防水工事は一人で完結する仕事ではなく、常に数人の職人と一緒に動きます。足場の上での作業や材料の受け渡しなど、ちょっとした声かけや気配りが事故を防ぐ要にもなるからです。
次に求められるのは、地味な作業をコツコツ続けられること。防水工事の多くは「塗る」「乾かす」「重ねる」といった工程の繰り返しです。目立つ成果がすぐに見えるわけではありませんが、こうした積み重ねが結果につながる仕事です。飽きっぽい人や、目先の変化を求める人にはつらいかもしれませんが、地道な作業を丁寧に続けられる人には向いています。
また、暑さ・寒さへの適応力も重要です。真夏の屋上や風の強い足場など、過酷な環境下で作業する場面も多いため、一定の体力と自己管理能力が必要です。ただし、必ずしも筋肉ムキムキである必要はなく、日頃から体を動かす習慣があれば問題ないレベルです。
そして何より大切なのは、「いいかげんな作業はしない」という誠実さ。目に見えない場所の防水処理でも、手を抜けば後から雨漏りなどの不具合につながるため、一つひとつの作業に責任感を持てる人が重宝されます。
資格や経験がなくても始められる仕事ではありますが、こうした資質を持つ人ほど、現場で信頼され長く活躍できる傾向があります。
給与や将来性は?防水屋として食べていけるか
防水屋として働く上で、現実的に気になるのが「生活していけるか」という点でしょう。まず給与面についてですが、未経験から始めた場合でも、月給20万円台後半〜30万円前後でスタートする現場が多く、地域や会社によっては日給制で1万円以上から始まることもあります。建設業界の中でも、防水工事は専門性が高く、一定の需要が常にあるため、経験を積めば年収400万〜500万円台も十分に狙える職種です。
また、防水屋としての経験年数が増えてくると、「防水施工技能士」といった国家資格の取得も視野に入ってきます。この資格があると現場での信頼も高まり、職長や管理者的な立場を任されることも増えてきます。それに伴って、手当や役職給がつく場合もあり、給与面での伸びしろは決して小さくありません。
独立という道も、ある程度の実力と人脈があれば現実的です。小規模な修繕案件を請け負う個人事業主や、地域密着型の小さな工務店として活動している元防水職人も多く存在します。特に近年はマンションやビルの維持管理ニーズが高まっており、外壁や屋上の防水メンテナンスの需要は安定しています。
ただし、収入は体調や働き方に大きく左右されます。夏場や冬場など繁忙期・閑散期があるため、コンスタントに稼ぎ続けるには、体調管理や継続的なスキル向上が欠かせません。将来的に安定した生活を望むのであれば、ただ現場で働くだけでなく、資格取得やチームのまとめ役を目指す姿勢も大切です。
「雰囲気が合うか」も大事。求人選びのチェックポイント
防水屋の仕事に興味を持ったら、次に気になるのは「どんな職場が自分に合うのか」でしょう。ただ給与や勤務時間だけを比べて応募すると、現場に出てからミスマッチを感じるケースも少なくありません。実は、求人票に書かれていない「職場の空気感」や「育て方のスタンス」こそが、長く働けるかどうかのカギを握っています。
たとえば、未経験者を歓迎すると書かれていても、実際には「教える余裕がない現場」もあります。現場での教育体制が整っているか、OJTの進め方に無理がないか、面接や見学の際に具体的に尋ねてみることが大切です。また、職人の年齢層や上下関係の雰囲気なども、働きやすさを左右する重要な要素です。あまりにも年齢や価値観がかけ離れていると、孤立を感じやすくなります。
さらに、防水工事には繁忙期があり、工期に追われることも多い業種です。そうした場面での働き方(無理な残業を強いられないか、休憩がしっかり取れるか)についても、事前に確認しておくと安心です。求人票に「チームワークを大切にしています」と書いてある場合は、その具体例を聞いてみると、言葉だけではないかどうかを見極められます。
求人情報を見るだけではわからないことが多いからこそ、見学や面接時に「感じたこと」を大事にしてください。現場の空気や社員の話し方から、「自分がここで働く姿」を少しでもイメージできるかが、応募判断の目安になります。
▶ 求人情報はこちらから確認できます:
https://www.isesaki-c.co.jp/recruit
覚悟は必要。でも、手に職をつけたいなら現実的な選択肢
防水屋という仕事は、決して「楽して稼げる」職業ではありません。体力も必要ですし、夏や冬の厳しい環境の中で作業を続ける覚悟も求められます。それでもこの仕事には、目には見えにくいけれど確かな「やりがい」と「実力が形になる感覚」があります。
未経験からでも始められ、現場で経験を積みながら技術を習得していける点は、手に職をつけたいと考える人にとって大きな魅力です。最初は何もわからなくても、丁寧に作業を覚えていくうちに、周りから信頼されるようになり、自分の仕事が建物を守っている実感も得られるようになります。
大切なのは、無理に決めつけたり焦ったりせず、自分の性格や将来像と照らし合わせて判断することです。派手さはないけれど、真面目に取り組む人がちゃんと評価される――そんな職場を選べば、防水屋という選択はきっと後悔のないものになるはずです。
※少しでも疑問が残る場合は、事前に質問や相談も可能です: